墨田区にある有限会社T.M.Y’sさんのLEATHER LAB TOKYOを撮影させていただきました。T.M.Y’sさんはシープのスエード革を中心に、ラムレザー、ゴートレザーなどの染色・加工を行われています。
昨年、新しい工場に移転されたばかり。カラフルな工場の床には見学ルートの案内が記されています。
一階には革を染色するステンレスのドラムが並んでいます。
ドラムの中を見せていただきました。まだ染色中の革です。革の染色は温度管理が難しいのですが、このドラムは自動調整できます。便利ですね。
だからといって木のドラムよりステンレスのドラムが良い、とも言えないそうで、それぞれの仕上がりの違いがあるそうです。
染色職人さんの作業場。染色した革を少しカットして、乾かし色を確認します。肉眼ではわかりますが写真で伝えるのは難しそう。とっても微妙な色味の調整をしてきます。
会社が見学を積極的に受け入れていることについて、職人さんに聞いてみました。
「ほとんどの人がこんなふうに革を染めて作っていることすら知らないし、合成皮革と本革の違いもよく知らないと思います。合皮は石油製品。合成樹脂を使ってできるだけ本革に似せるように作ったプラスチック製品です。本革というのは、食用の家畜の捨ててしまう部分(皮)を無駄なく使うようつくられていることを知ってほしいです」
皮革工場の方にお話を聞いているとかならず出る話ですが、革は生物の皮からつくるものなので一枚一枚違うのが普通です。でもそのことに対する理解がないと、スプレーで均一の仕上げを要求され、革の風合いが台無しになってしまうという問題もあります。
こちらはショールーム。写真はインドのシープを染めたスエード「撥水シープシルキー」。色数は200色以上あります。
染色した革の干し場。自動で回転するマシンに革をひっかけていきます。
荒川とスカイツリーを望むラウンジ。
T.M.Y’sさんは、毎年墨田区で開催されているスミファ / すみだファクトリーめぐりの参加企業です。工場見学も開催される予定です。詳細は後日ウェブサイトで告知されます。