TOHOシネマズ 六本木ヒルズで「アナと雪の女王」鑑賞。
「アナと雪の女王」は、本来の自分を否定されてきたエルサが、ありのままの自分を取り戻そうと
「let it go」を歌うシーンが印象的ですが、こういった、
親(世間)から、理想的な生き方を強要される → 最初はなんとか応えようとする → やっぱり無理と開き直る
といった流れの映画には共感するところが多くて(私も苦労したので、、、)例えば
昨年の、個人的映画ベストテンで「かぐや姫の物語」を選びましたが、これも同様の展開ですし、
他には、「タイタニック」もそうですね。
決定的に違っているのは、親の描き方で、
親を捨てる「タイタニック」と、捨てられない「かぐや姫の物語」では、親のキャラクターが全く違います。
「アナと雪の女王」の親は亡くなりますので、直接的な対決はありませんが、
「let it go」は親の価値観との決別の歌でもあります。
また、「あなたの子どもは危険だよ」と両親の不安をあおるトロールは、世間の象徴でしょう。
親の言う「幸せになれる生き方」と決別したことで、「タイタニック」のローズは海に放り出されることになりますし、
「アナと雪の女王」のエルサは、ひとり雪山で暮らすことになります。
でも、一旦そういうプロセスを経ることで、最終的には自分の人生を手に入れることが出来ます。
ここで起きる悲劇は、一種の通過儀礼にすぎません。
この3本を並べてみると、優しい親が長生きして、「あなたにはこう生きて、幸せになって欲しいの」と言い続けることが
結果的に娘の人生そのものを失わせる、最大の悲劇のように見えるのが、面白いところです。